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Monday 26 September 2011

グルメ都市、ロンドン

ロンドンという都市は’グルメ’という言葉が似合わない都市だと昔から言われていた。確かに欧州に旅行で来た事のある人ならば、欧州で食事の美味しいところはどこだと聞くと、イタリア、スペイン、フランス、、などが真っ先に出てくるのが常である。確かに北欧で食事するとあまり旨いとは思わないが、イタリア、スパイン、フランス以外にもポルトガルやハンガリー、ギリシャ等といったかなり美味しい物に出会える国があるのも事実である。しかし今日夕食を食べていてふと思った事があった。実はロンドンほどグルメな都市は世界中そうないのではなかろうか、、と。確かに日本の食事は美味しい。日本人として、いやこの地球に住む地球人として、日本食は美味しいと思う。日本食は四季折々の食材で食べるものを五感で楽しませてくれる。ただ、一般で言う食材の確保、という点に関しては日本国内ではバリエーションが少ないように思える。

ロンドンでは一般人が何か料理しようというときに、それが何料理であれ、たいていの食材が簡単に揃う。中近東やアフリカに近いということや過去に植民地を持っていたという事実から、色々な国出身の人達が生活しあらゆる食材があちこちから入ってくるからだ。つまり、料理に興味があり、それを真剣につくろうという思いのある人であれば、ロンドンほどグルメな都市はないのである。今日はイタリア料理を食べたのであるが、これと同じものを日本で作ったら、その辺のお店では材料がまず揃わないと思う。もし明日タイ料理、あさってギリシャ料理を作ろう、と思ってもロンドンではすぐに食材が揃うし、それに会うワインのバリエーションもかなりの数、あるのである。

僕がロンドンに来た16年前も、まともなレストランは限られていたように記憶している。なんでも昔は、富裕層にはお抱えのシェフが必ず居るし富裕層以外の層では外食は高すぎて行けないために、外食産業が発達しなかった。と聞いたことがある。最近のロンドンのレストランはモダンブリティッシュクイジンを経て色々な種類が出てきている上、ロンドナーの舌も肥えてきた為か、旨いところがめっぽう増えた。僕も料理が好きである。旨いところにいくと、それ以上のものを作ろうと躍起になることもあるが、食材がすぐに手に入るということは有難いもので、あっという間にレストランでも開けそうな料理が出来ることもある。

さぁて、明日はどこか変わったところの食材で、昨日買ったワインにあう、食事を作ってみようかな。一週間に一度か2度くらいしか料理をしないのではあるが、子供達も結構楽しみにしていることもあって、腕によりをかける、ととでもいうのかな。今から楽しみだ。

Sunday 25 September 2011



日本から帰ってきて既に一週間が過ぎようとしている。今回ほど時差ぼけならぬ、気温ボケに悩まされたことはない。東京では連日30度を越える暑さに閉口していただけに、ロンドンに戻ってからの朝夕の冷え込みは尋常ではなかった。この一週間、日中の最高気温でも13度とかが続いていたために、どうも調子が狂ってしまう。。。。家の前のコミュニアルガーデンの木で、一本だけ木(気)が早いのがいる。こいつは8月の中には紅葉をはじめ、他の木や周りの景観を一切無視し、その上いつ葉っぱが落ちてしまうかと思いきや、なかなかしぶとくお化粧をしただけで一向に落葉にならないのである。僕が知っている限り、ロンドンの紅葉は、アメリカや日本のそれとは違い、静かに、そしていつのまにか色が変わり、落ちてしまっている、というパターンが多い。昔アメリカに住んでいた頃、秋口の紅葉には目を見張るものがあった。僕は日本を離れて随分になる。僕の心の中にある’思い出としての紅葉’という意味では、久しく日本のそれを見ていない。寂しげながらも、ロマンティックで恋人達が集うようなイメージのある紅葉の季節。少なくとも現実主義のロンドナーのあいだでは、そういったロマンティックな感情はないようだ。欧州の、それもフランスやドイツといった国のほうが、よっぽどロマンティックなのではなかろうか。とも思う。9月も来週を残すのみとなった。10月にはいれば、本格的な秋なのだろうが、月末には冬時間もやってくる。そして本格的な冬支度の始まりだ。


ロンドンの秋は長いようで短い。感傷的になる暇はないが、昔から僕が感じている独特な秋の雰囲気を少しでも感じられればと思う。。。まあ、まずはパブに行って酔っ払うしかないかな。。


(写真は木(気)のはやい木)




Tuesday 20 September 2011

British Telecom の青年

この2日間、どうもブロードバンドの調子が悪い。BTに電話して問題を伝えたら、今日エンジニアが修理に来るという。仕事をしていたらエンジニアが来た、というのでちょっと顔を出したら、ドレッドヘアのボブ マーレのような青年がいた。カリブの血が強いのか、ジャマイカの音楽家!といった風貌だ。彼の格好と持参しているギアがどうも不釣合いだ。僕の方も仕事をしなければいけないのだが、興味があったのでしばらく見ていると、彼のツールボックスからハイテク機材が次々と表れる。そのうえ彼の英語は綺麗なBBCイングリッシュだ。的確に問題点を探り当て、修理に必要な部品を取り出し、手際よくやっている。あっという間に修理が終わり、コネクションテスト、と称してなにやらハイテク機材でやっている。一発でブロードバンド接続が出来た。

普通日本ではエンジニアというと作業服を着て、いかにも、といういでたちが多いのに対し、こちらは格好で判断するのではなく、何が出来るかである。彼の手際よい作業を見ていると気持ちいいくらいだ。それに説明も的確で、なかなかの好青年である。

修理が一通りおわり、これで大丈夫です。と。別れ際にうちのオフィスに飾ってある、ベースギターをみて何か言っている。どうした?と問いただすと、”僕もベースギターをやるんですよ” と。何でも音楽が大好きで自分のバンドも持っているという。’誰がすきなんだ?’と聞くとGeorge Benson だという。僕も大ファンでアルバムはほとんど持っている。彼曰く ”George's guitar is like.... drinking iced cold water...It's such a refreshing!" だと。確かに言われてみれば、そうだな、と改めて思った。なんだかこの出来事が今日一日のハイライトのような気がして、短い会話の中に共通の喜びのような物を感じることが出来た。ブロードバンドの問題からこのような会話になり、人間の人生に起こりうることはそれなりの理由があるのだなあ。。と思った。きっと神様も最近忙しい僕に’ちょっとはリラックスしたらどうかね!’とでも言ってそうな、そんな感じだった。今日は家に帰ったらGeroge Bensonを聴こう!

Saturday 17 September 2011

暑かった東京

今日が東京最後の日。というか今日の便で僕は機中の人となる。
昨日は大船のクライアントに会いにいった。僕が勝手に’大船三羽がらす’と命名している富岡さん、竹内さん、芦田さんに会うためだ。彼らとは顕微鏡のデザインの仕事で知り合い、また打ち解け合い、仕事の後の一杯が暗黙の了解になっているかのようだ。打ち合わせ後は大船駅周辺で呑むのがいつものパターンだが、それが魚の旨い店だったり、アイリッシュパブだったり、創作日本料理だったり、、、、様々だ。昨日も例外ではなく、駅前にある、名前は失念したが、くいっと一杯つまみとともに気軽に呑めるお店だった。というのも僕のスケジュール上、6時半には大船を出ないとと次のアポに間に合わないということで、彼らに気を使っていただいた結果そうなったのである。短時間決戦とはいえ、楽しいひとときを過ごさせてもらった。感謝感謝である。盛り上がっている最中にふと腕に目をやると7時を越えている。楽しい時間というものはそういうものだ。

大船の後は赤坂にもどり、同級生の会におくれて参加。小一時間の短い時間ではあったが、これも楽しませてもらった。2年前に卒業30年同窓会以来、機会があると皆で集まるのだが、なかなか皆忙しく都合もつかない年代にもなってきている。昨晩はいつもよりずいぶん早めに終わった事もあり、十分な睡眠が取れたのはいうまでもない。

今日は僕の帰国便が夜の9時発ということもあり、朝から日本橋であった細川護煕氏の展示会を拝見。素晴らしい作品のオンパレードでほとんどのものが既に売れている。まさに審美眼の究極ともいうもので素晴らしい意外の言葉は思い浮かばない。良いものを拝見させてもらったし、ご本人とも話をする事が出来た。

後5分もすると僕のフライトの搭乗が始まる。写真も載せようかと思ったが、時間がかかりそうなので、今日はこのくらいにしておこう。

さあってと、荷物をもって搭乗ゲートに向かおう。

暑く、忙しい東京だけど、楽しかった。

Friday 16 September 2011

時間




今日は東京滞在最後の日。とはいえ、朝から慌ただしい日になることはわかっている。昨晩呑んだ酒が少し残っているためか、頭が少し痛い。しかし昨日は充実した一日だった。

昨日は午前中にある程度仕事をかたずけるつもりで動いていた。というのも午後3時に畏友、白洲信哉と八王子の駅で午後3時に待ち合わせをしていたためだ。通常僕たちの待ち合わせというのは早くても午後7時、とか言うパターンが多いのだが、今回ばかりは勝手が違う。最近八王子に出来たばかりの、オリンパスホールに行くためだ。西本智実さんからの御厚意で、彼女のコンサートのリハーサルを見に行くという贅沢な時間の過ごし方だ。練習とはいえ本番さながらの迫力のこもった演奏に見ている僕も力が入って、おもわず汗がでそうだ。リハーサルが終わる頃には彼女も汗だくで運動量としても相当である。彼女がエグゼクティブプロデューサーでもあるオリンパスホールのほうも立派なもので収容人数も2000人ということだが、いやいや立派なものである。

やがてリハーサルも終わり、信哉が西麻布で6時半に予約しているお店へと急ぎ足で向かうことに。西本さんたちの車で一緒に移動する、というオファーを頂きながらも、夕方の高速の状況が読めないと踏んだ僕たちは一足先に電車で西麻布を目指す。ところが僕たちが店に着いたときには彼女達はもう席に着いてニコニコと笑っているではないか。。蒸し暑い電車のなかで、信哉と冗談っぽく話していたことが本当になった。。。そうこうしているうちにメンバー全員がそろう。今回は僕たちの他にレクサスの岩田さん、竿田さん、DDSの三吉野君の7人だ。旨い食事と、お酒に花が咲き、楽しく充実した時間はあっと言う間に過ぎていく。コンサート本番を控えた大事な体の西本さん達を車に乗せて見送ったあと、残った僕たち男衆はまるで示し合わせてかのように無言のまま、渡辺さんの店ー無垢ーへと歩き出す。無垢では、呑み過ぎた自分の体の事を考えてビターズのソーダ割りで時間を過ごしたのだが、不覚にも椅子に座ったまま30分ほど寝てしまった。僕たちが陣取ったテーブルでは信哉や三吉野くんの会話が夢物語のように聞こえたのも事実である。そうこうしているうちにいいのかわるいのか体力も復活し、渡辺さんに次のお店ーシャンパンバーとつれていってもらう事になった。葉巻とシャンパンというそこでの時間も楽しいものだったのだが、ふと時計に目をやるともう3時を回っている。。。充実した時間というものはなぜこんなに短いものなのだろうか。。。

充実した心のかたすみにむなしさを残し、後ろ髪を引かれる思いでホテルへと戻った。

日本への出張では友人や色々なクライアントとの会食が多いのだが、こういった時間というものは常にものすごいスピードで動いている。年齢を重ねるごとに、この感覚は年々加速し
ているといっても過言ではなかろう。2度と戻ってこない貴重な時間。その時その時の感覚を大切にして生きていきたい、と改めて思ったのはいうまでもなかった。そういう思いを胸にいつの間にかホテルのベッドで、着の身着のままでうつぶせで寝ている自分がそこにはいた。

(オリンパスホール最上階に佇むシンヤ、三吉野君と岩田さん、西本さんと食事の席で。)

Monday 12 September 2011

ばたばたの出張日程。





昨日大阪から浜松に行き、打ち合わせ後、夕方東京に入った。

大阪には日曜の午後入ったのだが、熊本の暑さを連れてきたかのように暑い。これでも涼しくなったそうだが。。大阪は東京等と比べ、緑が少ないためにアスファルトの照り返しが暑さをもっと感じさせるようにも感じる。。用事を済ませた後、ホテルにクエックイン。空調が利いているせいか、それとも汗をかいたせいか室内は幾分肌寒い。この極端な温度差に昔のマレーシアや香港と行ったいわゆる東南アジアのホテルのことを思い出した。。
そうこうしているうちに夕方になり、昔大変お世話になった方、水谷さんと10年以上ぶりにあって、食事をする。彼も昔とあまり変わっていなく嬉しかった。食事をした後にホテルの最上階のバーで大阪のパノラマを背景にスコッチを飲みながらのエンドレスに会話が続いた。
彼も欧州の駐在が長かったために色々と似たような経験話に花が咲く。こういった時間は概して足らなくなる、ということは最初から百も承知だったのだが、こうやってみるといかに長い間ご無沙汰していたか、改めて感じてしまった。楽しくも充実した大阪の夜だった。

翌日大阪から浜松へ移動。浜松ではクライアントと昼食のインド料理をはさんでの打ち合わせ。浜松も暑い!ただ、食事の後は辛さで汗をかいているのか、暑いからそうなのか、、いずれにせよ、’HOT’な時間だったこと間違いない。ただ時間はいつまでもまってない。あっという間に新幹線の時間が来る。東京行きに飛び乗り、一度荷物を置きに赤坂のホテルへと向かいその足で西大井へ。西大井でクライアントのオフィスを訪ねた後は恒例の呑み会へと流れる。途中歩きながら弱々しい蝉の声に初秋らしい空気を感じながらも改めて日本の四季の豊かさを感じることが出来たことは言うまでもない。

しかし、、忙しい一日だった。

さ、がんばろう。今日もまた、新しく、そして忙しい一日が始まろうとしている。


(写真は上から、水谷さん、移動中の新幹線からの富士山、通りで見かけた秋の気配のする神社、クライアントとの飲み会。左からマット、柳沢さん、赤羽さん)

Sunday 11 September 2011

Kumamoto


今、日本にいる。出張での来日で、成田に着いたのは金曜日の朝だ。羽田に移動後、打ち合わせを済ませ、そのまま熊本へ飛ぶ。週末の時間を両親や兄弟への顔見せと時差ぼけをとるため、と自分にはいいきかせながらも、連日連夜、色々な人たちに会おうとするために時間がどれだけあっても足りない。 ちょうど抜群のタイミングで、熊本で開催の九州創発塾なるものが、脳科学者の茂木健一郎さんのコーディネートで開催されたいた。彼とは熊本で旨い馬刺を食べにいこう、という約束をしていたこともあり、彼の多忙なスケジュールの合間を縫っての食事会になったのは言うまでもない。本当なら一日早く熊本に入り、約束事をちゃんと果たす予定だったのだが、時間と馬刺に対する愛着度の都合上、馬ではなく郷土料理らしきものをだす’こじゃれた店’に行くことになった。相当疲れているだろうこの時間帯、嫌な顔一つせずにニコニコしている彼を見ていると、彼の人柄、またその人気のほどがわかる気がする。

暑い熊本で呑んだビールは旨かったかな。。彼が東京へ戻る間際のビールと彼とのウィットにとんだ会話が暑さをいつのまに心地とのものへとかえてくれたことは事実だ。

明日からは大阪移動後浜松東京といく。
茂木さん有り難う。

Sunday 4 September 2011

僕のお気にいり、Arundel



先日West Sussex にある Arundel という町に休暇で行って来た。ロンドンから南西に車で1時間半~2時間くらいの距離だ。距離でいうと150マイルくらいか。夏休みも終わりに近ずくこの時期、M25環状線のモーターウェイは結構な車の数だ。週末が近いということもあるのだろうが、M25からA24の国道、つまりロンドン郊外に出ると車もまばらになってくる。Arundel にいくまでの道程は本当に美しい。田園風景のなかをひたすら走りぬけ、最後の丘を越えると大きく聳え立つ立派な城が見える。Arundel は城下町で城を中心に町が栄えている。昔風の町並みと人懐っこい住民がいるそこは、僕達にとっては非常に居心地のいいところである。


まずは久しぶりの真夏日を感じていた僕の喉を潤しにいかねば、と。中心地のパーキングエリアに車を停めて近場のビストロバーへ行く。そこで頭が割れるほどに冷たいビールをたのみ休憩。その後は僕達のお気に入りのArundel Avisford Hilton Hotel へと向う。広大な敷地の中にあるこのホテルは、昔プレップスクールだったらしく、改装後ホテルとして使用されるようになったそうだ。アメリカなどにはこの手のホテルが多いのだが、歴史の違いがなんともいえない品のよさを醸し出している上、人工的でない美しいゴルフコースから、インドア、アウトドアのプール、他に広大な庭で遊べる施設が品よく配置されている。この広々とした緑の中で過ごす贅沢な空気と時間は何ものにも代え難い。。。ゆっくりとプールに浮かび、夕暮れに染まり行く空を眺める。掛け値なしに美しい、の一言だ。プールサイドでは品のよい老夫婦や新婚カップルがデッキチェアで同じ空気を楽しんでいるのが分かる。鳥の囀りだけをBGMにして時間の過ぎるのを皆惜しんでいるかのようだ。。。日が西に沈みかける頃、ホテルの部屋へもどり、ひとっ風呂あびる。7時にはディナーを予約していたために、スマートカジュアルに着替えレストランへと向う。旨いワインと食事。時間を忘れさせてくれるウイットにとんだ会話、あっという間に一日が過ぎていった。


どうやら、僕の中ではここを常宿にしようという魂胆が家族にばればれのようだが、次にここに来るのは10月の子供の学校のミッドターム休みのときかな。そのときに僕の時間が取れることだけを祈るしかないな。。


(写真は夕日に映えるホテルの庭)