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Thursday 10 November 2011

僕にとってのロンドン

ロンドンという街の魅力を一言で言えば、’人間らしさ’、ということが上げられる。その昔、ルネッサンスとはなんぞや?という問いが中学校の試験などに出ていたが、日本中のほとんどの学校では’文芸復興’と教えていたようで、これが試験では ○ なのである。ただ、運良く僕の先生は、ルネッサンスとは’人間性の回復’と教えてくれた。’文芸復興’なんて答えようものなら、即 × である。 ’人間性の回復’、、、ロンドンで、この歳になって彼が教えんとしていたことが身にしみてよくわかるのである。

僕のようにクリエイティブインダストリーの仕事をしている者にとっては、ロンドンのように世界中のクリエイティブプロフェッショナルが集う街ほど魅力のある都市はなかろう。クリエイティブ、と言っても僕のような工業デザインーだけではなく、建築家、映像クリエーター、ファッションデザイナー、ミュージシャン、造園家、、あげればきりがないのだが、こういった人達が集まる街としてはロンドンは世界一ではなかろうか。勿論英語という公用語がある故、世界各国の人達が集まれることに起因しているのは事実だが、物創り(あえて物造り、とはしない)に対する考え方がフリーであるということも考えられる。フリーと言っても自由ではなく、要はある一定の条件のもと、それに最適な物創りをしていくうえでの考え方、発想の原点がフリーなのである。薀蓄をどれだけ語ってもダメであり、どこかの国のように声が大きいものほど偉くなるのとはわけが違うのである。ある意味人間臭く、同時に最先端の情報もしっかりと身につけているのである。

また、ロンドンは大都市でありながら、そう感じさせないところも多々あることも魅力のひとつだ。ちょっと足を伸ばせば、近場に美しい風景があり、日常の全てが僕のようなデザイナーにとっては作業場であり、書斎なのである。何気なく生きていても、この感覚はまるで呼吸をするかのように自然に身についていくものなのである。僕の第2の故郷となったロンドン、これからも僕に力を与えてくれることだろう。

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