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Monday 29 August 2011

Clivedenで思ったこと。









今日は家族でナショナルトラストのサイトの一つである、CLIVEDENというところに行った。ロンドンの中心地から西へ1時間くらいのところにあるそれは素晴らしいところだ。ナショナルトラストの会員である僕は英国に何百とあるこういったサイトへはただで入ることが出来る。こういった仕組みは真に有難いもので、流石に英国という歴史と文化を今までじっくりと育んできた国の誇るべき仕組みだと思った。広大な敷地の中、素晴らしい館とそれを取り巻くイングリッシュガーデンが、来る者は拒まず、とでも言ってそうな感じだ。ガーデンとはいえ、信じられない規模であり、小高い岡から見下ろす田園風景やその中を静かに流れる川が心を癒してくれる。結構な距離を歩いたとは思うのだが、全くそれを感じさせない訪問者を包み込んでくれるおおらかな空気がそこにはある。


よく天才の輩出数と美しい風景の数とは比例するといわれる。確かに英国にはノーベル賞受賞者数で世界1,2を誇るケンブリッジ大学やオックスフォード大学があり、数多くの天才を輩出している。日本には秀才君たちはたくさん居るのだが、天才といわれる人は秀才に比べ少ない。勿論日本にも美しい景色は多く存在するのだが、果たしteそれを本当の意味でアプリシエートしている人達がどれだけいるのだろうか。また存在したとしても彼らは勉強をするという環境下でそれを感じることが出来ているのだろうか。。多分そうでは無いと思う。


今後日本でもそういった環境を整える時代がやってくる、と願っているのだが、僕達が生きているうちにやってもらいたいと思うし、またそれを僕達も頑張って未来の子供達のために先導して行かねばならないのかな。。。


そうこう想いにふけっている間に、日は傾き美しい夕日がこの景色にまた違った彩を加えてくれているのに気がついた。









Friday 26 August 2011

ピアニストの青年

昨日、僕の友達から紹介された、日本から来た若く、そして今後が期待されるピアニストの青年とその御父上と夕食を共にする機会があった。夕方6時半にオフィス近くの駅で待ち合わせし、その足で僕の行きつけのパブへと直行。ゆっくりとした時間と空気のながれるそのパブで本当の意味でのロンドンらしさを感じてもらいそれから食事へと流れたのだが、時差ぼけで疲れていたこともあるだろうに、つい悪い癖で僕の方も遅くまでひきまわして申し訳なかった。時差ぼけもあっただろう、そのなか音楽の話になるとキラリとひかるその眼。

彼の名は、内匠慧くん。東京芸大の一年生でまだ18歳。ロンドンのロイヤルアカデミーに留学での来英である。日本でのピアノコンクールでのファイナルを追えて、その足でロンドンに駆けつけたという、なんだか昔の僕の出張でのスケジュールのようなハードな日程での行動に、おもわずなつかしい若さとバイタリティーを感じてしまった。そうそう彼の演奏をyoutubeでも聴いてみた。素晴らしいの一言である。持って生まれた才能もあるのだろうが、それ以上の努力もあるのだろう。熱心な御父上のもと頑張っているのがよくわかる。英国での生活を経て一皮も二皮もむけて立派なたくましいピアニストになってほしいものである。そして同じ日本人として、英国でそしてこれからの世界に羽ばたいってもらいたいものだ。

良い酒と良い食事、そして何より良い会話がそれを音楽のように包んでくれた。音楽という世界共通の言語と彼らの存在のせいもあると思うのだが、僕もデザインという世界共通の言語でまだまだ頑張らねば、と感じさせられた晩だったことを付け加えておく。がんばれ!慧くん!





Tuesday 23 August 2011

オフィスでのつかの間の時間



先日、夏休み中の子供達が、僕のオフィスに来て絵を描きたい、という。長女には誕生日に買ってあげた油絵のセット一式が僕のオフィスに置いてあることもあり、それに感化された次女もアクリルペイントセットなるものも持参してのお絵かきタイム。キャンバスに自分の頭の中にある世界を書いてごらん、とある程度の課題を与え各々描き始める。


長女は慎重派。下書きを入念にしてから、色を丁寧につけていく。次女は僕と同じ右脳派のようで思いついたものを下書きもなくどんどん描いていく。僕の方も納期間際の仕事もあり、娘達にミーティングルームを使わせて、自分は自分のオフィスの部屋で仕事をこなすことにする。ランチを挟んでもくもくと描き続ける2人。性格も手法も、全てが違う2人の作品はキャンバスに初めて描いたとは思えないような出来だ。なかなか面白く、工業デザインという職業の僕にもなんらかの刺激を与えてくれたのは間違いない。


今度は2人に抽象的なオブジェを描いてもらうよう約束した。よく出来ても出来なくてもオフィスに飾ろう。次回がまた楽しみだ。














(写真はお絵かき中の2人。。)

Monday 15 August 2011

ロンドンの夕暮れ





先週、友達2人が家族とともにロンドンに遊びに来てくれた。2家族とも別々のフライトで一日違いでの来英だ。この1週間、ロンドンでは暴動の報道のせいか、心なしか観光客が少ないように思えていたのだが、彼らの心情も例外ではなく、不安はあったようだが家族共々何も問題はなく5日間を過ごし今日無事に帰国の途についた。僕が住んでいるケンジントン地区では暴動とは無縁であったとはいえ、メディアなどの報道の仕方では行きたくない都市になってしまうのだろう。それが海外のメディアとなればなおさらだ。


それはそうと、彼らも滞在中には2つも3つもミュージカルを見に行ったり、美術館巡りをするなど文化的なアクティビティーをしていたようだ。子連れのそれも時差ぼけとの戦いの中、精力的に動いた後のビールは美味い!と力説していたのには思わず笑みが出てしまった。イギリスの夏は日本のそれとは違い、比較的に涼しく乾燥しているということもあり過ごしやすい。逆に日本から来ると帰って寒いと思うことも多かろう。ただ、一年で一番いい季節ということもあり、その上天気にも恵まれて2家族ともに充実した時間を過ごしてくれたようだ。帰国前日には皆でレストランの大きなテーブルを囲み、イタリア人のようなにぎやかな食事をすることが出来た。いい酒といい食事。僕もロンドンにいるとはいえ、楽しい時間を一緒に過ごさせてもらった。


先日、一家族目が一日先に帰国し、もう一家族は今日ロンドンを発った。彼らが帰った後には、心の中にぽっかりと穴が開いたような気持ちになったのは言うまでもない。この気持ちはいつになっても変わらないし、死ぬまで持つ感情の一つだと思う。最後の日、夕方から有名なタワーブリッジに行きぶらぶらと散策したのであるが、そのときにタワーブリッジから見た夕暮れはまるでターナーの絵の様にダイナミックであり、心なしか僕の心を少し表してくれているような気がした。


彼らもまた、同じ様な気持ちで他のかもしれないが、また来年も遊びに来てくれるだろう。



(写真はタワーブリッジ と 橋の袂から臨む夕日)

Tuesday 9 August 2011

英国の暴動騒ぎ

BBCのニュースなどでもここ数日の英国内の暴動事件が重点的に取り上げられている。
色々な話の挙句に人々は結論を求めたがる。これは人間としての性なのだが、このような事件では結論も何も、誰にもわからない。政府をターゲットにする人もいれば、家庭内の問題をターゲットのする人たちもいる。はたまた、今回の暴徒の団結をもたらしたフェイスブックやTWITTERといったSNSを標的にする輩もいる。何が問題なのか、問題自体が解らないのに、答えが出るはずはない。そもそも、人間の社会というものは残酷なもので、欧米諸国が今まで錦の御旗のように振ってきた’自由と平等の旗の下’という概念そのものが疑わしきものなのであり、人間そのものの平等という言葉はこのような問題が起こったあとには存在しない。暴徒の一人がニュースで語っていた言葉に、’繁華街に行けばスニーカーが150ポンドで売っている。確かに格好いいし欲しい、、ただ、自分は仕事もなく、一週間で42.5ポンドをもらっているだけなので、そのようなものは手に入れることが出来ない。。。’と。

社会格差のなかで、多くの若者があえぎ苦しんでいるこの不景気社会。このような状況の中で今後の英国政府がどういう対応を見せていくのかが注目されている。日本のように我慢とか思いやりとか譲り合いなどといった、余裕のある人たちだけが持てる考えや行動は、この国の貧困層といわれているコミュニティーにも存在しないはずはないのだが、日本と比べその割合が極端に少なすぎるような気もする。

まだ、僕がいるケンジントンにまでは飛び火していないが、そう悠長なことも言ってられないだろう。いち早い事態の収束と平和な世の中を願うばかりである。