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Friday 7 December 2012

大人になるということ

12月に入ってやがて1週間が経つ。時間のスピードが年々早く感じるのが物理的な理由ではない事は百も承知だが、こうも早く一年という月日が過ぎて行くと何ともいえない複雑な気分になる。子供の頃は夏休みが永遠に続くかのような錯覚を覚え、時間という概念さえも無く、ただ単に早く大人になりたい、と思っていた。

大人になるということは、社会的責任を持つという事は当たり前だとしても、家庭や仕事の中での自分の立ち位置という物が明確になり、後戻りの出来ない時間のなかで今やるべき事、やらなければ行けない事を、今後のプランと絡み合わせながら生きて行くという事なのである。人間生きていると色々な問題に遭遇する。それらを乗り越えても乗り越えてもまた新たな問題が生まれる。生きている限り何らかの問題に遭遇する事はある意味、人間として果たされた試練であり、またそれを乗り越えるときに、新しい出会いや、学習があるといっても過言ではなかろう。

人生は死ぬまで勉強である。常に前を向き挑戦する姿勢を持ち、仕事やプライベートに精進する事が求められる。

12月になって周りを見渡してみると街中がクリスマスムード一色である。これは一年間頑張って生きてきた人達にとっては、仕事の締めくくりをしっかりやる時期であるという意味合いと同時にリラックス出来る時期でもあり、いわば、ご褒美的な月なのである。忙しい中にも、人々の顔つきのなかに何ともいえない嬉しそうな笑顔を見る事の出来ることも確かだ。

後3週間足らずで、今年も終わる。今年も頑張ったね、と家族皆に言えるように、そして自分自身も最後までチャレンジ精神を忘れず、12月を過ごせれば、新しく一皮むけた大人として、きっといい新年を迎える事が出来るだろう。さぁ、頑張るゾ!

Tuesday 20 November 2012

ソウルー香港ーマカオー東京

1日半の短い滞在を終え香港経由でマカオに入ったのが先週の金曜日。マカオでは3泊という短い時間にも関わらず滞在中には色々な事があった。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されるまでは、香港における英国の統治下と同様、ポルトガルの統治下にあった。街を歩いていても古いポルトガルの雰囲気を十分に感じる事の出来る街だ。また、日本にも縁の深いフランシスコザビエルがキリスト教布教の際にマカオを拠点にアジアでの布教活動をしていたこともよく知られた話だ。

最近ではマカオと言えば、グランプリ、カジノが有名なアジアのラスベガスとでも言える都市といえる。

今回の出張では、韓国の仕事の後インチョンからの午後便で香港へ飛んだ。香港到着後、空港と直結しているフェリーターミナルからフェリーでマカオへと向かう。1時間半の短いフェリートリップである。僕らの乗ったフェリーは静かにそしてゆっくりと夜の帳の中、闇を掻き分けるかのように進んで行く。対岸の鮮やかなネオンが見えてくるころには、乗客達がいそいそと降船準備を始めているのがわかる。

マカオ到着後、イミグレーションを抜けいそいそとホテルへと向かう。ホテルのロビーでは今回の旅で東京から合流した渡辺倫明さんや韓国から参加した、池さんや安さんの顔も見える。東京からは畏友白洲信哉も参加予定であったのだが、急遽参加不可となり、この面々でのマカオ滞在となった。

有名なマカオのグランプリの時期という事もあり、街中がお祭りムードである。
マカオでの仕事も当然重要な物ではあるが、グランプリの魅力には変えがたい物があるのも確かだ。今回滞在したマンダリングランドラパホテルはマンダリンオリエンタルコーナーとも言われ、モナコと並ぶ公道レースグランプリを見る上ではホテルから直接見る事の出来る一番いいスポットなのである。たしかにストレッチの観客席で観戦するより、ホテルのバルコニーから酒を呑み、食事しながら見る方がいい事は間違いない。

日曜日の最終レース後は皆で食事に行き、ポルトガル料理を楽しんだのは言うまでもない。勿論折角マカオにいるという事でカジノ体験をした事を付け加えておく。

今は赤坂のいつものホテルに滞在している。気温25度のマカオから気温6度の冬の
東京はある意味気持ちの切り替えに非常にいい。気持ちをあらたに、東京での残りに打ち合わせをこなして明日には飛騨高山へと移動する。

さあって、今日も一日頑張ろう。








Wednesday 14 November 2012

緊張感とリラックス感が交わるこの瞬間


緊張感とリラックス感が交わるこの瞬間 ー ブログをしばらく怠けると、時間がある時に書こうとするこの瞬間が一番緊張するのである。前回のブログは韓国に行く前だったのだが、 実は今僕は、アムステルダムのスキポール空港のラウンジでビール片手に膝の上のコンピューターとにらめっこしている。後2時間ほどで機中の人となるのだが、今回もまずはソウルに飛び、打ち合わせ後、翌日の午後に香港に行く。香港からはマカオに移動するのであるが、この件に関しては次のブログのネタとしてリザーブしておく事にする。。。

と書いたところで、ガラス張りの向こうにクリスマスツリーが飾ってあるのを見つけた。
僕が今回の出張で、こちらに戻ってくる頃には、至る所がクリスマスの雰囲気を味わう事の出来る場所になっているのである。そう考えると時間という概念は、それと常に戦って生きている僕らのような人間には、(ここのところイレギュラーな忙しさが続いているとはいえ)残酷な物以外の何ものでもない。

昨晩も(というか今朝の朝3時すぎまで)クライアントに出すデータを纏めていたのである。今までは忙しいときとそうでないときの区切りという物がはっきりとあった。この1年くらいは小さな山が頻繁にある為に、必然的に今までのようなスケジュールではこなせないような仕事のやり方になってしまうのである。とはいえ、いずれにせよ韓国に着く頃には時差ぼけもあるだろうし、かえってちょうどいいのかもしれない、と言い聞かせている自分がいるのも確かなのである。まあ、今回のクライアントもアウトプットを気に入ってくれたとのことだったので、まずは一安心かな。

今回の出張では日本にも行く事になっている。勿論クライアントにも会うのだが、東京でどうしても会いたい友人もおり、色々と話をしたいと思っている。この友人のことに関しては、少なくとも今後の日本を考える上でも僕らの世代がどういう具体的な動きや思想を持たなければならないかという事に関わってくることで、僕自身がリラックスする上でも個人的には知っておかなければならない重要な事なのである。

そういえば、今朝は朝食を食う暇もなかったし、腹が減っていることに今気がつく。ラウンジの飯はろくなものないけど、腹の足しにはなるだろう。その前にビールをもう一杯のんでリラックスして今日からの出張に備えたいと思う。

Tuesday 18 September 2012

ひさしぶり

最後のブログ更新から実に2ヶ月以上も経っていることに、今日気がついた。思えばこの間、女王の戴冠60年の催し物があったり、オリンピックがあったり、パラリンピックがあったりと、ロンドンにとってこんなに忙しい年は今までにあっただろうか。そういう僕も仕事に没頭する日々が続いていた、というと格好いいのだが、オリンピックも生で見に行けたし、夏休みの子供達とも楽しい日を過ごすことが出来たし、で思い起こせばそれほど忙しい日々を過ごしていたわけではないようだ。前のブログでも書いたことがあったのだが、ツイッターを始めてからというもの、気軽に写真などをアップすることが出来る上に、クローズドサークルの中だけでの連絡ツールとしても有用なものとして、呟きが僕のブログの代わりをしてくれていたようである。
そうこうしているうちにまた秋がやってきている。通りには落ち葉がちらほら見受けられ、朝夕の冷え込みも結構なものだ。楽しかった夏が終わり、日がどんどん短くなっていくのを肌で感じることが出来る頃になると冬の始まりである。一年は本当に短いと改めて思う。

明日から僕は久しぶりに韓国に仕事で行く。3日滞在して、日本にも行くのだが、今回東京でも色々な打ち合わせもあるし、色々な人たちにも会うことになるので、どこに行ってもやはり時間との戦いになることは必至だ。ただ、今回の日本出張中にツイッター上で話すようになった、あったこともない人たちと26日には東京のどこかで呑み会なるものもある予定だ。どういう展開になるのか楽しみだ。

さあって、明日の準備もしたし、ねるか、といいたいところだが、ロンドンを訪問しているお客さんたちとの食事に今から出かける。今日は早めに帰って、明日に備えよう。出張中にブログが更新できますように!

Saturday 14 July 2012

人- part2

今日アメリカ人の友人の紹介で、福岡でIT会社を経営しているアメリカ人に会う機会があった。日本にかなり長い間住んでいるという事で、色々な面白いテクノロジーを使ったソフトウェアを開発しているそうで、面白い会話に2時間ちょっとの時間があっと言う間だった。今回は彼の新しく開発したテクノロジービジネスでの欧州出張だそうで、いそがしいであろうに限られた時間のなかわざわざ会いにきてくれた。僕の知らない技術の世界で頑張っている彼の話はわくわくするモノばかりで、僕としても多大な刺激を受けた事は間違いない。

せっかくのロンドン、ということもあって、僕の行きつけのパブに昼間から連れ出して食事をしたのだが、そこの名物のラムの骨付き肩肉を食べながらの会話は仕事の事のみならず、人生の事、家族の事、色々な国の話、食べ物の話とどれだけ時間があってもきりがないような話題で、その盛り上がりは正直楽しかった。付け加えるのであれば、お互い今日初めて会ったという感覚が全くないことにどれだけうちとけたかが表れていたと思う。

この楽しい土曜日の午後を満喫して、今度は博多で会いましょう、と彼はヒースロー空港に向かっていった。土曜日とはいえ僕の方もやり残した仕事もあるし、仕事に戻らなければならないのだが、こういう機会に新しい出会いに巡り会えると本当に嬉しく、また素晴らしい事だと改めて思ったのは言うまでもない。

さあ、仕事仕事。

Thursday 12 July 2012

先日英国でのカンファレンスに参加されていた茂木健一郎さんが日本に帰国された。1週間前にもお会いしているのだが、彼の帰国前夜に、先回お世話になった水野さんとともに食事をする機会があった。場所は水野さんにアレンジしていただいたベーカーストリート近くの中華料理である。レストランに待ち合わせの時間に行くとそこには見知らぬ面々が並んでいる。人間好きの僕の事、何も気にせず挨拶を簡単にかわしてまずはビールを注文。アルコールがはいったところで、会話が徐々に広がり始める。

この見知らぬ面々が、実は茂木さんがツイッターで知り合った方々で、いうなれば’オフ会’ならぬ、’オフ会い’と言った感じの食事会という事に気がつくまで、僕はビール2本飲んだ後の赤ワインが2杯目になっていた頃だった。彼の懐の広さと言うかオープンな心にはいつも刺激されるのは常だが、なかなか初めてあった面々にしては面白い食事会になったのはいうまでもない。中には茂木さんのツイッターで彼のカンファレンス会場にまで会いにきたファッションデザインを勉強している学生3人組もいて老若男女問わず、新鮮に感じたのは僕だけではなかろう。

イレギュラーが生み出す出会い、その中から生まれる会話、そして何よりも茂木さんや水野さんといった方々のざっくばらんで且つ繊細な対応、これがツイッターという媒体を通して出会った人々とのやり取りとは思えないような、彼らのやさしくも広い心を表しているかのようだった。

どの時代、どの社会や国でも建設的な人間関係ほど大切な物は無いと思う。心が通じ合う、という言葉があるが、それがどのような経路を通って繋がっても行くものは繋がるし、そうでないものは瞬時に無くなる。心と心のふれあい、それが今の社会には最も大切なものなのかもしれないと改めて思ったという事は言うまでもない。

もう今頃、茂木さんは日本に戻り仕事に走り回っている事だろうし、多忙な水野さんは出張等で世界を飛びまわっている事だろう。


(ロンドン最後、別れ際に酔っぱらいオヤジ2人)


Tuesday 3 July 2012

最近ブログの更新もままならない日々を送りつつも、ロンドンに来客があるとなるべく時間をこしらえて出かけるようにしている。とはいえ、それがお世話になっている人で、かつそう頻繁に会えない人となると終業後に出かけるのは当たり前で、なるべく昼間は仕事に集中してノルマをクリアすることにして夜の部を満喫出来るようにしている。

日曜日の午後に東京から脳科学者の茂木健一郎さんが来英された。長旅の疲れにも関わらず夕方からの待ち合わせ場所にあらわれた彼の顔にはいつもの屈託のない笑顔があった。
何でも今週いっぱいこちらでカンファレンスがあるということだ。

今回、茂木さんとの待ち合わせの場所となったのが  Royal Automobile Club というプライベートクラブで、バッキンガム宮殿にもほど近いPall Mallという場所にある由緒あるVenueである。茂木さんの友人で、VC投資家の水野さんという方がメンバーでらっしゃるところであリ、彼のご厚意でここでディナーをすることになった次第だ。ディナー前に水野さんからこの場所の案内をうける。ロンドンの一等地にあるこのサイズのプライベートクラブは歴史と伝統によって受け継がれており、隣の建物のクラブは東インド会社を設立した同士によってつくられたそうで、歴史とともにメンバーは変わりつつも初志を受け継いだメンバーによってそういった歴史と伝統を重んじる英国の上流階級のクラブを継承したということである。

ディナーを囲んで色々な話に花が咲いたところで、階下のバーに移動。そこは昔はシガーバーであったとのことだが、昨今の英国の建物内禁煙ルールにもとずいて今はクラブメンバーのみが使用出来るバーになっている。もっと昔にさかのぼると、ウィンストンチャーチルもここの常連でシガーをくゆらせてウイスキーを飲んでいたとの事である。ちょうど僕たちが訪れた時、たまたま、そこでユーロ2012のフットボールの決勝の試合が放送されていた。殊の外静かにフットボールを観戦するメンバーの雰囲気はさておき、水野さんや時差ぼけで半分眠りかかっている茂木さんとの会話は時間の経つ事を忘れさせてくれる一時であったし、今回の出会いが僕にとってもありがたいものだったことも付け加えておく。

クラブを出て、帰路につくときに見た見事な黄昏もこの英国の歴史と伝統をずっと見続けていたのだと思うと感慨深い気持ちになったのはいうまでもない。

茂木さんまた会いましょう!


(茂木さん、水野さんとともに Royal Automobile Club にて)

Wednesday 27 June 2012

ツイッター

超久しぶりのブログ更新。日々の生活の中でやりたい事とやらなければ行けない事が必ずしも一致するとは限らない、故にブリグの更新が疎かになってしまう。。

さて、言い訳はさておき、この2ヶ月の間に色々な事が会った。思い出そうとしてもそれを時系列的に思い出すのはまず不可能だ。5月半ばには韓国や日本の出張もあったし、イギリス国内でも動き回っていたことは事実。ただ嬉しい事にこういう慌ただしい生活の中で、どこにいても携帯で見て、感じて、フィードバックしていたツイッター。今僕の中ではツイッターは単なる’呟き’の線を越えようとしている。

仕事関係の話もある。なにかぼそぼそとつぶやくと、仕事関係のメッセージはダイレクトメッセージーつまりクローズドの枠のなかだけでお互いのコンタクトがとれる。そうでなくてもくだらない事や笑える事など、ツイッターでインタラクティブに会話が出来るのは結構楽しく愉快なものである。

この沈黙の2ヶ月の間に、ロンドンではエリザベス女王のダイヤモンドジュビリーがあり、ウインブルドンのテニストーナメントが始まり、そして来月はいよいよオリンピックが始まり、と慌ただしさが続く。そういった慌ただしさの中にいて、こころなしかロンドナーの気持ちは浮き足立っているようにも思える。それを感じる事の出来る場所で、イギリスならでは、というと、そうパブである。パブでは行事ごとに来る客層が違っていて見ているだけでも面白いのだが、そういった中でも先述のツイッターが大いに活躍するのである。(勿論僕だけ、かもしれないが)酒を呑みながら待ち合わせをしている人を見ていると時間稼ぎなのか、その場しのぎなのか、携帯でツイッターをしている人達を多く見かける。僕も一人でも呑みにいくタイプなので、ツイッターをしながら呑んだり、知らない人と話しながら楽しんだりと様々だが、呑んでいるときにツイートするときの勢いは後で読み直しても結構おもしろいものがあり、且つ色々な人たちとツイッター上で出会っているのである。先日一言’この見知らぬ人たちと会って一緒に呑めたら面白いよなあ。’とつぶやくやすごい反応があった。実際僕も今度日本に出張に行くときに、ちょっと計画してみようと思っている。老若男女、世代、職業、生き方、考え方全てが違う人たちと壁を超えて呑めたらさぞ愉快だろうなあ、と。まるで初めて学校に入学して出会うクラスメート達みたいな感覚なのか、、それとも大人になったらそういうギクシャクしたものを全て越えての呑み会なのか、、全く想像できないけど、想像しただけでわくわくしてしまう。既にツイッター上でも参加したい人達何人かが手を挙げているしね。

いずれにせよ、次にこのブログを更新するときにはまた新しいニュースが出てきている事だろう。。。

さあって、と、、今日も一日頑張ろう!

Thursday 26 April 2012

雨のち晴れ、時々曇り

ここ英国では'April shower brings May flower' といわれるように、通常4月は雨が多い月である。とはいえ、この1、2週間、ロンドンの天候がかなり変だ。抜けるような青空が広がるかと思いきや突然雹まじりの雨が降ったり、とまことにはっきりしない天候がずっと続いているのである。

英国の’雨’に対する考え方は、日本のそれとはかなり違っているように思える。これは雨の降り方そのものは勿論の事、それに対応する人々の雨に対する対応の仕方、というものが根本的に違うからである。

英国で降る雨の多くは日本でいう小雨をもっと霧状にしたような雨で、基本的に傘を必要としない、というのが英国人の考え方で、今までの僕の経験からいうと傘をさしているのはおおかた欧州人である。(ここでいう欧州人とは英国人以外の欧州から来た人たちの事であり、英国人は自らを欧州人ではなく、英国人である、と思う事の方が先のようだ。)当然の如く、僕も傘をさす。’水もしたたるいい男’ にはなれそうもないし、なんといっても気温の低い英国で濡れてしまう事はあまり気がすすまないのである。今東京に住んでいるうちのスタッフだった英国人も例外ではなく、彼と一度、雨の東京で会ったときにやはり雨の中、傘もささずにジャケットのポケットに手を入れて濡れながら歩いてきた。やはり英国人だな、とひとりごちたことも記憶に新しい。

オフィスの窓から見える空は青いけど、今日も雨模様だ。一日の仕事を終える頃には雨がやんでいてくれる事を祈ろう。雨が止んでくれたら、雨に敬意を表してビールくらいは呑んで差し上げますよ!

Wednesday 18 April 2012

芸術が奏でるもの

昨日、僕の故郷、’熊本’で、世界的な指揮者、西本智実さんの指揮のよるベラルーシ国立交響楽団の公演が行われた。毎年この時期には僕も仕事で日本にいる事が多いのであるが、前々から行きたかった公演ではあったとはいえ、ここのところの忙しい日々のためにロンドンから動けない状態でその願いかなわず、故郷での西本さんの公演を聞くチャンスをまたしても逃してしまった。とはいえ、やはり気になるものである。熊本のクラシック好きの友人達にはまえもって宣伝をしていたために、かなりの友人達が足を運んでくれ、彼女の素晴らしい、そして一流の演奏を堪能したらしい。友人の中にはチケット発売の際に早朝から並んでまで手に入れた輩もいたと聞く。中には彼女の公演を京都や東京まで聞きにいくという輩もいた。

公演後、彼女の友人で僕も面識のある、もとサンクトペテルブルク日本領事館の副領事でもあった、仲村氏のお店で仲村氏の友人達が集まって彼女のウェルカムパーティーがあった。その席で僕の友人も出席しており、彼のiPadで、スカイプを通し西本さんとも久しぶりに話をする事が出来た。(ITの恩恵を痛感!)彼女も相変わらず元気そうで、いつものパワーと魅力いっぱいの西本さんの声に、いい意味で刺激を受けるだけでなく自分にも活を入れられたようだ。

彼女いわく、しばらくは九州での公演があり、日本中で5月までは続くそうだ。芸術が奏でるもの、それは音楽であれ、デザインであれ、響き合えるものがあるからこそ、やりがいもあるのだと思う。

僕も世界を相手に戦うつもりで、デザインという仕事を日々やっている。彼女のような存在はいつもいい刺激になるし、今後も益々頑張って世界的な一流を走り続けてもらいたいものである。

ロンドンから西本智実さんに大きなエールを送ります!!

Saturday 14 April 2012

つかの間の休日







今週で子供のイースターの休暇が終わる。欧州では、親が子供の休日に会わせて休みを取って旅行に出かけるパターンが多い。当然この時期どの学校でもイースター休暇があり、家族で出かけているところも多いようだ。ただ、どこの家庭も年末のクリスマス休暇と違って、このイースターで2週間続けて休みが取れるところはなかなか無いようだ。せめて3、4日、と言ったところだろうか。

僕も自分でデザインビジネスをしているとはいえ、いや、それだからこそ、なかなかフリーになれる時間がないのも事実だ。ただ、この休暇最後の週末ということで、昨日の朝から家族でロンドン郊外の’ナショナルトラスト’の由緒ある歴史と文化を感じ取れるところに息抜きを兼ねていってきた。いつ行ってもナショナルトラストの建物やその景色の保存の仕方、またその美しさには目を見張るものがある。

車でM3をずっと西に抜けると所々にナショナルトラストのサインが目に入る。普通、こういった小旅行はめぼしいところでモーターウェーを下り、国道に沿って目的の場所までいく。今回は、はなっから、近場でゆっくりしようと思っていたため、ロンドンから1時間ちょっとの距離にある ’ The Vine’ というところに行ってきた。美しい庭園や自然に身をまかせ、あても無くぶらぶらと歩く。心無しか空気もロンドンのそれと違っていて爽やかな気持ちに慣れる事は有り難い事だ。この距離なら日帰り旅行で十分なのだが、実はちょっと気になるホテルがあったので、前もってそこに予約を入れておいたのである。Tylney Hall Hotel というホテルでそれはそれは歴史を感じる立派な造りのホテルである。車で行くと入り口のゲートから、ホテルまで広大な敷地を抜け、ホテルまでいくのであるが、その途中に美しい花が咲きほこり、白鳥やアヒルが湖で優雅なときを過ごしているのが見える。途中自然に作られたゴルフコースも見える。こういう贅沢な空気のなかで休暇のとれるイギリスの良さというものを改めて感じてしまったのは言うまでもない。ホテルに行く途中でもカントリーサイドの美しさに、ただため息が出るばかりだ。それは日本やアメリカの自然にはまずあり得ない、僕の自然に対する畏敬のあらわれでもあり、日本等の先進国にとって、こういう自然の残し方、ライフスタイルがこれからもっと重視される世の中になってほしいと願う気持ちの表れかもしれない。

僕にとっては、ロンドンからわずか1時間ちょっとで行ける自分のオアシスを探し当てた、といっても過言ではない。たった、一日、という短時間滞在だったにも関わらず、僕だけでなく、子供たちやかみさんも充実したいい時間を過ごせたようだ。ホテルの造りだけでなく、スタッフ、料理、施設、そしてそれを取り巻く美しい自然、、、全てが一級品の満足度を与えてくれるのである。

明日からは子供達もルーティーンの学校生活に戻る。僕が、こういった近場の自然の恩恵を感じれる時間の過ごし方をもっとしなければいけない、と思ったのは言うまでもなく、また、嬉しい事に子供達にも同じような感覚があったようで、帰りの車の中で子供達にまた次にいく日を約束させられたという事を付け加えておく。

Monday 2 April 2012

Jacob さん

今、韓国のクライアントのJacobさんがロンドンに来ている。明日には帰国するという忙しい日程で先週も欧州を駆け足で回っていたようだ。今日も今から打ち合わせをするのであるが、打ち合わせが始まる前にこうやってブログを書いている。彼は英国で子供の頃から教育を受けており、大学はアメリカで、今はソウル在住だ。何となく過ごした時間や過程が僕のそれと似ていて、その上歳もほぼ同じということもあり、仕事以外でも話が弾む。殊に酒が入れば色々な話で大笑いする事が多々あり、楽しい時間を過ごす ’こつ’ を知っている。

彼と仕事をしていると、今、この混沌としたビジネス社会で一番必要とされているタイプの人間であるという事がよくわかる。仕事の質、決断の的確さとその早さ、そして何よりもその行動力。同じアジアの隣国そして僕の祖国、日本にも昔は彼のようなタイプはたくさんいたのだろうが、最近少なくなったタイプである。といっても他人への気使いや、思いやり、と言った人間としての基本がしっかりベースにあるだけに、周りの人を引きつける力も人一倍強い。

後10分もすると打ち合わせが始まる。今日のアジェンダには色々な議題がある。しかし、その一つ一つを理解し、こなしていく度に新たな発見があり、子供に戻ったようにエキサイトできる場でもある事は確かだ。

今日も一日仕事頑張って、それが終わったら、彼の’帰国前のパブビール’と勝手に称して、楽しむ事にしよう。今日の青空も仕事が終わる頃には美しい黄昏になっている事はたしかなようだしね。

Friday 30 March 2012

誕生日

後3時間半で、また一つ歳をとる。3月31日。。奇妙な日に生まれたものだ。歳を重ねるごとに誕生日に対する感情が薄らいでくるのは、誰しもそうなのだろう。しかし毎年やってくる誕生日というものは、同じように毎年やってくるクリスマスやお正月とは訳が違う。つまり、誕生日というものがある重要な意味をなし、自分は意識していなくても、まわりの人達がそれを祝ってくれることに逆に感謝する日なのである。たとえ、自分の誕生日を出張先で迎えようと、有り難い事にどんなに遠くにいても祝ってくれる人達の気持ちは変わらない。

僕は、1965年にカトリック系の病院で生まれた。今でも古ぼけた僕のアルバムを見ると最初のページにはマリア様と天使が見事なまでに描かれている。当時、母親が僕の生まれた日を2、3日ずらす事をシスターに相談し、神からもらった命をなんと心得るか、というようなお説教をくらった、と聞いた事がある。確かに運動や学校の勉強等を見ていても4月、5月生まれの人の方が優秀なケースが多い。これは統計的にも証明されていて、やはり体格や頭脳が1年違うとそれなりに差が出るものらしい。とはいえ、3月31日に生まれた僕は両親からたくさんの愛情を注いでもらい、好きなように、そして自分の信じるままに生きてきた。もちろん人に迷惑をかける事は言語道断で、運動、勉強、音楽を含む芸術面でも可能性のある限り色々な事を教えられ、身につけてきた。もちろん僕の記憶の中には’無理やり教えられた’という記憶は全く無い。このような環境で育った僕はすくすくと育ったことには間違いないのだが、それ以上に僕という人間を赤子の頃から尊重し育ててくれた両親にはひたすら感謝、である。今の僕があるのも、僕の誇るべき両親、兄、姉がいてのことであり、それ故にこの与えられた命を大切に、そしていつかは世の中のためになれるように精進していきたいものである。


Monday 26 March 2012

韓国、そして日本での仕事を終え、昨日ロンドンに戻ってきた。欧州では昨日から夏時間に切り替わり、一時間時計の針が進む、つまり理論的に考えれば一時間損をする気分になるのだが、日がその分長く感じることが出来るので実質 ’特’をしていると行った方がいいのかもしれない。
いずれにせよ、一日の生活パターンが変わるわけではないので、何も変わっていない事は確かなのだが、今日も朝から抜けるような大空に、本格的な春の到来を感じるのは僕だけではなかろう。

東滞在京最後の晩、畏友の白洲信哉がわざわざ僕の来日にあわせて焼き鳥やでの呑み会をやってくれた。信哉の友人の渡辺倫明さんや、ドラマで信哉の祖父次郎さんを演じた伊勢谷友介さん達と九段下にある雰囲気のいい焼き鳥屋で旨い焼酎と焼き鳥と楽しい会話であっという間に時間が過ぎていった。会話の中で印象に残ったのは、皆それぞれ社会に対して考えている事は違っているにせよ、共通しているのはこの社会をいかによくするか、ということである。手法はちがうにせよ様々な労力、そして頭を使い同じ結果を求めている姿勢に、ある意味人間のあるべく姿を強く感じる事が出来たのはいうまでもない。

僕もデザインという手法で世の中が明るくなれるよう頑張っているつもりだが、やる事はまだまだ多い。。。

さあて、ロンドンの春を満喫する時間もすこし長くなった事だし、出張のまとめとプロジェクトプランニングを今日中にやってしまおう!

Thursday 22 March 2012

限られた時間

今回のソウルでの仕事を無事終え、週末に実家のある熊本に入った。こういった週末だけの限られた短い時間のなかでは、自ずから実家での時間を有効に使いたい、という気持ちのほうが優先されるのである。とはいえ、結構頭を使いながらも ’やらねばならない事’、’やりたい事’を無意識に分けながらこなすもう一人の自分がいるのも事実なのである。

思えば、ぼくも人生の半分以上、海外で生活しているせいか、日本、殊に実家での時間というものは貴重ものである。いや、それ以前に、両親や兄弟、幼馴染み達と過ごす物理的に限りある時間の重要性の割合が年々増している、と言った方がいいのかもしれない。つまり、僕にとっては、日本という祖国での時間そのものが、非現実的なものであるが故に、日本での時間をかつての自分の中にあった現実的なものとして引き戻そうとしているのかもしれない。

今日の東京での最後の打ち合わせを一件だけ残し、明後日には家族の待つイギリスに帰国する。室生犀星の詩ほど大げさなものではないが、故郷とは何処にいても常に自分の心の中にあり続けるのである。

ホテルの窓から見える今日の東京は、雨模様のようだ。さあ、気合いいれて仕事にいこう。


Thursday 15 March 2012

出張中

今、フランスのCDG(シャルルドゴール空港)のラウンジでこれを書いている。本来なら、今頃エールフランスのソウル行きの便でロシアと中国の国境あたりを飛んでいるはず、だったのだが、ロンドンヒースローからのフライトが濃霧のために2時間ほど遅れてしまい、僕がCDGに降り立ったときは、’時、既に遅し’。乗るべき便がもういない、という状況だった。まあ、こういう事もあるわ、、、と自分に言い聞かせながらコネクションデスクに行き、何でもいいから明日ソウルに着く便を探して手配してくれないか、と最初から聞いたものだからデスクのおねーちゃんも驚いたらしく、愛嬌のあるフランス語訛りの英語で ’捜してみます。ウイウイ。’ と。。。このおねーちゃんがなかなかどうして仕事が出来る女性でおおいに助かった。フランスでよく見るタイプのくすんだブロンドの女性で愛嬌ある笑顔が僕以外にも困っている人や、怒り狂っている人たちを相手にてきぱきと仕事をこなしているのをみて、感心してしまった。。。。そうこうしているうちに、なんとか大韓航空のソウル行きをとってくれたので、出発までの間こうしてラウンジで時間をつぶしている。。。
今朝早起きしたせいか、ラウンジでビールを一杯飲みながらメール等のチェックをしているとそのうち瞼がくっついてしまい、ふと気がつくと20分ほどラップトップを膝においたまま寝てしまっていた。プレゼンテーションの夢を見たのだが、20分の間にかなり深い眠りにはいったらしくはっきりとは覚えていない。。

あーしかし、長い一日だなあ。これから10時間くらいのフライトだが、夕飯食ったらすぐ寝よう。

Friday 9 March 2012

スイス

今スイスのチューリッヒに来ている。久しぶりのチューリッヒだが、どことなく昔に比べ静かな感じが否めない。着陸前の飛行機から見る景色も、まだ丘の上には雪が残り春がもうそこまで来ている、というような雰囲気ではあっただけにちょっと残念だ。最近の欧州の景気後退の波がここまで来ているのだろうか。。まだ中心地には出かけてないので今ひとつ僕の考えが正しいかどうかはわからないにしても何かしらのフォースがあるのは確かだろう。

さて、今日は今から打ち合わせをしてその後に僕のチューリッヒでのお気に入りレストランの一つであるLASALLEというレストランに行く予定だ。このレストランは元々船を建造する工場跡地を、見事なまでの建築デザイン力で素晴らしい文化の発祥地にしたもので、初めて来る人だけでなく、来る人全てに特に感銘を与えてくれるところだ。。ここはいつも僕の想像力を膨らましてくれるという事もあり、またドイツ語圏とはいえ美味しい料理をだしてくれる有り難いところでもある。

さて、まずはプレゼンの支度をして頑張る事にする。

Friday 2 March 2012

今朝出勤時に、行きつけのカフェでコーヒーを買っているときにふと外に目をやるとそこには見事な桜が咲いていた。人間とは面白いもので、外を歩いているときには気がつかず、一度行動を止めてあらためて周りをながめて初めていつもの違いに気がつくのだろう。。もしくは単に僕が何かほかの事を考えていたために季節と共に変わり行く景観さえも気がつかなかった、ということなのか。もし後者であれば、これはいかん、ということになる。たしかに歩いているときにデザインのことを考えていることは多々あるが、これだけ見事な桜に気がつかなかったとは不覚である。何も昨日、今日咲いたわけでもなかろうし、気をつけなければ、季節の節目と言う大切な時間の一部を失ういることになる。今更だが、気がついてよかったと思う。

イギリスの桜は日本から贈られたものらしい。何でも日露戦争の際にロシアの動きや情報を日本に提供してくれた国が英国であり、そのお礼と言うことで日本から贈られたとのこと。ということはこの桜は100年以上、静かに、英国とそこに住む人々を見ていたと言うことになる。そう考えると単に’美しい’の一言では済まされない。街並みの美しさを桜がより一層引き立てているのはもちろんだが、それをしっかり守ってくれていた英国人達にも感謝せねばならない。

今度日本に出張で行くのは3月末だが、その頃日本でも桜が見れるかな。

Thursday 1 March 2012

超久しぶりのブログ更新

この2ヶ月間、’ブログを更新しなくては、、、’という想いとは裏腹に忙しさにかまけて何もしない自分がいた。最近ツイッターをよくやるようになったせいか、ブログの方がおろそかになる傾向にあるようだ。 本来ツイッターは友人同士での緊急連絡をとりあうのに適していると言う利点はあるが、一瞬のつぶやきのため時間の流れとともにツイートした内容を忘れてしまうことも多い。一方、ブログは日記として過去に戻って、’こういうことがあった、、、’と再確認することが出来るという利点がある。本来、日々の生活の中で忙しく走りまわっている時ほどブログの内容が充実するのであるが、逆にイベントが多すぎて何について書くか迷い始めると、しまいには書かずに終わることが多いようだ。

たしかに、ここ2,3年スマートフォンが出回り始め、写真などもすぐ撮れるし、その場でブログ更新も出来るかもしれない。しかしその場その場の感情や情景を表現するのであれば、ブログよりツイッターの方がより適している。ブログを書くときは思いをありのまま書くためにあまり時間はかからないとは分かっていても、やはり机に向かい腰を据えて書くほうがすらすらと自分の想いを書けるようだ。。。

そうこうしている間、ロンドンでは大寒波で雪に見舞われたかと思いきやもう春の日差しが降り注いでいる時期になり、気がつけば3月である。


前置きが随分と長くなったが、この2ヶ月色々なプロジェクトで忙しい日々を送っていた。と書くと聞こえは良いけど要は自分の納得するデザインが出来るまでにありったけの時間を使っていた、と言った方がいいのかもしれない。実は先週も別件で5日間だけ日本に行ってたのだが、あまりにもバタバタしていたために精神的余裕がないような状態だった。ただ、一晩だけ、ほんの3時間ほどだが、畏友の白洲信哉と茂木健一郎さん達に誘われて夜遅くから呑みに行った。仕事とは全く関係のない会話の中にほっとする自分がいたのは確かだ。信哉も茂木さんの心使いも忙しいなか本当に有難いと思っている。

さて、今日から3月。今月は韓国、日本とまた出張がある。かなり重要な出張なので気が抜けないのだが、自分の信じているコンセプトをいかに相手側に理解していただくか、と言う点にある意味僕の納得度が正しいのか正しくないのか、が問われると言っても過言ではないと思う。それが故に、これが終わりひと段落するとまた友人達と呑む酒が格別なものになることは間違いないだろう。

さあって、頑張るぞ!