思えば、ぼくも人生の半分以上、海外で生活しているせいか、日本、殊に実家での時間というものは貴重ものである。いや、それ以前に、両親や兄弟、幼馴染み達と過ごす物理的に限りある時間の重要性の割合が年々増している、と言った方がいいのかもしれない。つまり、僕にとっては、日本という祖国での時間そのものが、非現実的なものであるが故に、日本での時間をかつての自分の中にあった現実的なものとして引き戻そうとしているのかもしれない。
今日の東京での最後の打ち合わせを一件だけ残し、明後日には家族の待つイギリスに帰国する。室生犀星の詩ほど大げさなものではないが、故郷とは何処にいても常に自分の心の中にあり続けるのである。
ホテルの窓から見える今日の東京は、雨模様のようだ。さあ、気合いいれて仕事にいこう。
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